政治理念
人生において何が大切か。幸せとはどんなものか。答えは、過去を生き今を生きる人の数だけ存在します。だからこそ、目に見える結果はどうであれ、自分の人生を自分で形づくることを常に意識しなければならないと思うのです。われわれがコントロールすることのできない運命があるとしても、自らの手で人生を握っているという実感が日々の充実の根本にあるのだと私は信じています。
そのためには、自由にそして柔軟に考え行動できること、選択肢が制約をうけないことが重要です。失敗への恐怖は行動に大きな制限をかけます。一度の失敗が人生を決めてしまう、そう思い込んでしまう社会は生きやすい社会とはいえません。「死に至る病とは絶望である」と述べた哲学者がいました。こり固まった制度や価値観が壁になって、歩みをすすめる希望が持てないこと。それは社会の病です。困難や失敗に直面しても、乗り越えることができる可能性がある社会だからこそ、自らの決断する自由が生まれるのだと思います。
目指す政策
01 教育
児童生徒の興味関心はさまざまで学習のスピードも異なります。一定水準を確保する必要がある公教育のなかで、個性に応じた教育環境を整えることがわれわれ大人に課せられた使命です。児童生徒の可能性を広げるため、教育の個別最適化をはかる必要があります。その先にいわゆる「主体的・対話的で深い学び」があります。めまぐるしく変わる社会環境に対応するため、みずから正解を導き出す力を体得できるようにしなければなりません。一方、教育現場の負担は増加し続けています。2019年にOECDが教員の勤務時間を調査した結果、日本の教員の労働時間は参加国のなかで最長でした。教員が疲弊してしまえば、教育の質を向上させるための準備やデザインに時間を割くことができません。ひとつひとつの要素を分析し、過重な仕事を減らしていくという視点が必要不可欠です。理想をもって活躍してもらうために、学校の働き方改革を同時に進める必要があります。
02 行財政
行政のデジタル化を進めるためには、単にいままで行われていた業務に関してデジタル技術を活用するだけではなく、業務プロセスそのものを見直し、新たな仕事や組織のかたちをつくる姿勢が必要です。その上で、デジタル技術の活用には2つの視点があると感じています。オンライン手続の充実、時間や場所、煩雑な手続といった壁を取りのぞき、利便性向上をはかる点がひとつ、もうひとつが行政事務の効率化・最適化。そのために、UI / UXの改善も含めて、職員のスキルアップや”仕切れる”人材が必要になります。デジタル活用が予期しない問題をもたらす可能性はありますが、変化を受け入れることができない組織や個人は生き残ることはできません。そのスピードが早まっている現代ではなおさらです。もちろん、デジタル分野だけではなく、縦割りの弊害やリスクテイクの下手さは周知のとおりです。行政の組織としての柔軟性、機動性が問われています。
03 スポーツ振興
スポーツは健康増進、シビックプライドの醸成、経済効果など、さまざまなパワーがあります。なにより心が震えるあの時間、瞬間はなにものにも代えがたいものであると感じます。さまざまな果実を地域にもたらすスポーツをする・みる・ささえること。施設整備・運用などのハード面、指導者の確保や振興策などのソフト面を充実させていく必要があります。スポーツを通してこのまちに住まう人々がワクワクする体験と感動を得ることができ、日々の生活に何かを還元することができること。全ての人がスポーツにアクセスでき、その価値を感じることができる都市をつくります。もちろん、自身もあらゆるスポーツにチャレンジして魅力を発信していきます。
04 医療と福祉
地域で安心して暮らしていくには、地域医療の充実が不可欠です。各々が住みなれた場所で、必要充分な医療や介護を受けることができる体制を整備するため、いわゆる「地域包括ケアシステム」や多職種間連携、救急医療体制に関してさらなる充実を図りつつ、あわせて、担い手たる医師や看護師、介護人材等の確保、その労働環境の改善を目指します。一方、高齢化の進展にともなって増加する社会保障関係費を考えると、病気や介護の予防に本腰を入れて取り組む必要があります。健康寿命延伸にむけての施策検討を進めます。必要な人が必要な医療を受けられる環境があり、医療や介護に関して不安が少ないコミュニティは「選ばれるまち」につながります。
05 まちづくり
人口減少下においては、技術革新・生産性向上による経済成長が重要となります。一方で、まちの活性化を考えた場合、必要になるのは地域に人が集うことです。一度外へ出た人達が戻ってきたいと思うようなまち、人を惹きつける魅力のあるまちは、多様な人材が活躍できる環境、競争力のある産業、子育て環境、防災体制、公共交通など、タペストリーのようにさまざまな要素が織りなすものだと思います。そして、それらの政策を実現するためには確固たる財政基盤が必要です。必要的な経費が硬直化するなかで、削減ありきではなく、まちの課題を解決するために、新しいことに取り組む資金を確保することを考えて財政をチェックしていきたいと思います。