三重県主催、「働き方改革キックオフセミナー」に参加してきました。官民問わずよく話題にのぼる「働き方改革」。そのフロントランナーであるサイボウズの青野社長の基調講演と、鈴木知事と青野社長のパネルディスカッションが主な内容。
働き方の多様性を実現するために
青野社長の奥さまが旧久居市出身!ということをはじめて知り勝手に親近感を覚えました。それはさておき、テーマは「育児・働きがい・多様性・離職率低下・業績と生産性」とてんこ盛り。主な話は働き方の多様性。マスメディアなどで聞いたことがある話が多かったものの、詳しく聞くと、よくここまで徹底的にできたなという印象。実際に同じように取り入れられるかどうかはまた別のはなしになってくるとは思いますが、「まあ、そうだよな」と感じる点は多かったです。
講演、パネルディスカッションでいろいろな話を聞きましたが、一番感じたのはトップの姿勢というのが本当に大切であるということです。そして、その方向性をメンバーが共有できるか。トップの意思が上滑り状態になってもいけないし、逆に下からの突き上げをトップが無視してもいけない。どちらにせよ、旗を掲げること自体には周知効果もあるので、ガツガツと発信してもらいたいですね。
青野社長基調講演・パネルディスカッション
◆ 働き方の多様性
・「働き方改革」ではなく「働き方の多様化」
・辞める理由はあまりにバラバラ
・「100人いれば100通りの人事制度があってよい」→公平性の放棄=公平性よりも個性
・多様性がないとよくいうが、すでに充分多様性はあるところが多い
● 働き方の多様化へのチャレンジ→モチベーションアップ
→離職率は28%→4%へ
●「育児分休暇」
→リカレント教育にもつながる←多様化へのチャレンジのひとつ
●「副業解禁(自営的なものが中心)」
→ex).IoT×農業で地域情報化大賞受賞、正のサイクル;新たなスキル&人脈の獲得
◆ 給与制度について
・給与テーブルは廃止
・給与は市場性で=シビアではある
・評価の変遷:労働時間と勤続年数→成果・能力→市場性へ
・正確に測定することを諦める
◆ 働き方改革に本当にひつようなもの
・「制度」 × 「ツール」 × 「組織風土」
● 「ツール」
→リアルオフィスとバーチャルオフィス
→バーチャルにはチームがありワークがあることが必要
・ビデオ会議の施設を全会議室に設置
・リアルオフィスの価値を再定義→それに則したオフィスをつくる
● 「風土」
:「公明正大」 & 「自立と議論」 → これだけは本当に重要
・お互いに嘘のない風土を
・自分の選択の責任をとる力
・「質問する責任」と「説明する責任」
←社内で議論する力:建設的に話せるフレームを教育している
:フリーライダーをどうするのか?
・何のために制度があるのか→目的の共有と共感が重要
: 個人戦ではなくチーム戦で個人への仕事量を減らす
◆ いま「働き方」の何が問題なのか?
・「生産性が低い」働き方と「幸福度が低い」働き方のズレ
● 「メンバーシップ型雇用」と「ジョブ型雇用」
→ メリットを両立する「ミックス型」の提案
→ 「終身雇用」「年功序列」「企業別組合」は廃止すべき
→そもそも終身じゃない、人生100年時代にそぐわない、イノベーションを阻害、非正規との格差、定期昇給とベアが中心でまさに多様性を無視している、個人の幸福追求に資する体制になっていない
● 「幸福度を高める」ことが経営戦略に
◆ 社会の問題解決のために
・急激な少子高齢化、社会保障費の増大
・「夫の家事・育児」と「第2子誕生」の数値的相関(写真あり)
・家庭をこころみずに働く→出世→←イクボスの価値観&影響拡大を!
・「就業規則ガイドライン」からの副業禁止規則の排除をすでに実現
・「働き方改革」→「一律の残業削減」そういう話ではない=ジタハラ
◆ パネルディスカッション
・わがままを受け入れること→強みにつながるかも(青野)
・Early Small Success 小さい成功を積み重ね重要さ(鈴木)
・現場がついてこないのはトップが腹を括ってないから(青野)
・地域ぐるみでやることの重要性(青野)
・データは地域で情報共有する時代になっていく(青野)
・フロントランナーをパクれ(鈴木)
・先行事例、事実の共有を(鈴木)