国会と地方議会の違いとは? −議院内閣制と二元代表制−

地方議会と国会はそもそも仕組みからして違うのをご存知でしょうか。国が「議員内閣制」(執行部たる内閣は議会の信任を得て成立し、内閣は議会に責任を負う制度。議会の多数派から内閣が構成される)をとっているのに対して、地方議会は「二元代表制」です。

代弁者として、有権者の意思を行政組織に伝えることは、地方議会でも国会でも変わらない重要な役割ですが、議院内閣制では、多数派=与党は内閣と一体となって行政運営に深く係わり、野党は政府与党を批判し次の選挙での政権交代を目指します。常に与野党間の緊張関係が生まれます。

地方議会においても与野党間の対立の構図をえがいてしまいがちですが、地方議会では多数派が首長(知事や市町村長)を選ぶわけではありません。行政の長たる首長と議員はそれぞれ住民が別々の選挙で選びます。これをもって二元代表制と呼ぶわけです。したがって、執行部と議会の意思が常に一致するとは限らず、緊張関係を保つことになります。

二元代表制においては、議会のなかに首長派の議員というものは存在することは確かですが、行政と近づきすぎず、されど遠すぎずの立ち位置で協業することが求められます。行政を執行する首長をチェックする機能が議会の第一の役割となります。議員内閣制と同様の意味での与党−野党の関係はありません。

とは言っても、現実の地方政治においては、オール与党的、執行部追認的な議会となっているところがあります(党派的な対立から、首長側に過度に批判的な議会もあります)。二元代表制で期待されるほどのチェック型議会となっているとは言いがたいの現状です。ちなみに、執行部提出議案の原案可決率は相当の高さです。

また、二元代表制を採用する地方議会においては、上記チェック機能のみが仕事のようになっていて、議会側からの政策立案が弱いという現実があります。国会も同じようなものだ、とおっしゃられる方もいるでしょうが、国会と比べるレベルにはないのが地方議会です。

たとえば昨年の国会(臨時会・特別会のぞく)では、成立件数でいえば内閣法案が63件、議員立法が10件です。提出件数でいえば、内閣が66件、議員が136件(内閣法制局データより:)。また、国会においては多数の議員連盟や、国政政党直属の政調組織、そしてそれを実行する政策立案機能があります。一方、地方議会ではどうでしょうか。手元にデータがないので、参考までに高橋亮平氏のブログから拝借したものを載せます。

…地方議会の中で実際に提案されている議員提案の中身について見ていくと、さらに残念な数字が並ぶ。ただでさえ少ない議員提案のうち、55.5%は国などに対して要望を文章で出すだけの「意見書」であり、条例提案は18.2%しかない。政策的条例提案はその議員提出の条例案の8.1%でしかなく、議案全体から見ると、この議員提案による政策的条例提案は、わずか0.159%しかないのだ。自治体の数で全体の176件を割ると、1自治体あたり0.19件しかしていない。つまり、議員による政策的条例提案は、年間、5自治体の中で1件あるかないかぐらいというのが、現状の地方議会のレベルなのである…

(「議員による政策的条例提案はわずか0.143%という地方議会の現実」高橋亮平 2014)

チェック機能がそこまで厳しくもなく、提案機能もないという議会はいかがなものか。「議員ってなにをやってるの?」と言われても仕方がありません。実際には、ヒアリングや座学、視察等の政策調査をしたり、有権者や団体の困りごと=要望を聞いたり、活動をしています。しかし、本来の仕事に活かせなければその意味は薄れてきます。


議会として、政策立案の手段はどのようなものがあるか。ひとつは、「一般質問」でとりあげつつ、日頃から執行部の政策形成にある意味関与していくパターン。もうひとつは、みずからが条例等の議案を作成するパターン。上記にもある通り、このパターンの政策立案の割合は非常に低いのが現実です。ひとつには、国会と比べると、「議院法制局」ないしはそれに代わるものが存在しないことがあげられます。議員の政策立案をサポートする機関がないのです。甘ったれたことを、とお叱りを受けるかもしれません。しかし、行政という巨大な組織は各部にわかれ綿密に政策をつくります。それに対して、議員は会派の数人、委員会のメンバー、または単独作業です。国会におけるような党組織もありません。(国政政党に個人で属する、または地方政党に属する場合はありますが、それは個人および地区支部の連合体のような組織になってしまいます。行政単位での組織になっていないことが多いように思います)

とりうる手段として現実的なものはやはり、一般質問につづく政策関与のパターンです。機が熟せば同じ問題意識をもつ議員同士で(≠会派)条例案を作成すること。そもそもが議案を提出するにあたって、議員定数の12分の1の賛成が必要になります(地方自治法112条2項)。さしあたってはまず、6月の一般質問で、理想と現状を対比した=ストーリーをもった質問をしたいと思います。質問の概要に関しては、また現在更新が滞っていますが、関心のある問題についてはブログで。それをまとめた政策の方向性は「政策」のページに逐次追加していきます。


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